実家は田舎によくありがちな感じで
宅地と畑が続いていました
その境は秋になるとコスモスの花でいっぱいでした
毎年広がるコスモスに
「少し減らさないの？」
と母に聞くと
「お父さん、コスモス好きなんだよ」
普段の父からはちょっと想像がつかなくて
可愛い…と思った事を憶えています
そんな父は24年前の今日
満開のコスモスに見送られるように亡くなりました
54才でした
父の初七日の日に
「代引きでご注文いただいていた商品のご用意が出来ました」
と通販会社のコールセンターから電話がありました
商品はシャネルのスカーフ
父は入院中にこっそり母へのプレゼントとして注文していたんですね
注文主である父が亡くなった事を伝え
「母へのプレゼントだったと思います。
そのまま購入させていただきたいです。
届けていただけませんか？」
とお願いしました
事情を理解いただいて、スカーフは数日後、母の手元に届きました。
生前、プレゼントらしいプレゼントなど贈った事のない父
病名も余命も知っていた父
自分が亡くなった後の葬儀、相続、各種手続きをノートにまとめていた父
初七日過ぎに届けるとは、照れ隠しにも程があります(笑)
父が亡くなって3ヶ月後に倒れた母も
3ヶ月半ほどの入院の後に亡くなりました
父と同じ54才になってすぐでした
父から贈られたスカーフを身につけて旅立った母
今頃コスモス畑の中を二人で散歩してるのかな…
コスモスの向こうにそんな姿が見える9月11日です