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ヒミツ・人妻系

nanaの妄想小説第2弾

20/5/5 20:23
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『1つ前の駅で…』【第4話】

目を覚ますと真夜中の病院のベッドだった。徐々に思い出して狼狽えた。大変な迷惑をかけてしまった。あの見ず知らずの人は ?看護師さんに尋ねると
「親切な人で良かったですね。もう帰られましたけど、名刺をお預かりしましたよ」
見ると会社の電話番号の下に(個人)と書かれた手書きの携帯番号が走り書きされていた。
「ふふ、この方本当はなんにも言わずに帰ろうとしたから慌てて名刺くださいって言ったんですよ。で、個人的な電話番号も書いてくださいって頼んだの。だってもし私があなただったら絶対連絡してお礼をしたいと思うものね?」
年配の看護師さんが担当で良かった。菜々は名刺を胸に当ててホッと胸を撫で下ろした。

ビニール袋を渡してくれた手。広くて懐かしい匂いがした背中。なにより、、あの優しくて頼もしい声を思い出し、菜々はすぐにでも電話をしたいと思った。

次の日、朝一番に電話した菜々はお礼を何度も言ったあと、最後に勇気を出して誘った。

「私にご馳走させてください!あの、、何がお好きですか?いつならご都合つきますか?」
勝地が電話の向こうで困ったように笑った。


☆☆☆

「早くうがいして!あ、とりあえずこの烏龍茶でも飲んで」
慌ててコップを差し出す勝地が可愛くてつい意地悪を言ってみる。
「かつじさんに飲ませてもらいたいな、、直接…」
驚いて目を丸くした勝地だったが、意を決して烏龍茶を口に含むと恐る恐る口移しで飲ませてくれた。
少し苦い液体がのどを通る。そのまま菜々は首に手を回すと舌を絡ませた。自分からこんなに積極的なことをするのは生まれて初めてだった。ぴちゃ…クチュ…ん…ん…遠慮がちに口内を探っていたが次第に大胆になる自分に勝地の舌も応えてくれる。ん、ん…クチュ…
2人の水音が菜々の狭い部屋に響いた。

「かつじさん、今日は、、泊まっていってください。お願い…」
唇を離すと、菜々は懇願するように勝地の
目を見つめた。

5話につづく


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