約束の日がきた
その日は彼の誕生日が近くて
さも無いプレゼントを準備して待ち合わせ場所に向かった
"着いてます"
"着いたよ"
今なら会わずに帰れると思いつつ
彼の車に横付けした
車から降り
初めてで慣れない私は
彼の車の運転席側に歩いて回り込み
「はじめまして」と頭を下げた
戸惑いながら彼は
「隣りに乗って」と
少し焦りながら言った
その日は世間話をしながらドライブをした
帰り際
「また会いたいな」と私の手を握ってきた
私好みの大きな手
社交辞令じゃなきゃいいなと
それだけ願い家路を急いだ
夜
御礼のメールがきた
「また会いたい」
その言葉をもらい
安堵した