【草薙電脳艶戯倶楽部】(625)
草薙(48)
ヒミツ・不明/その他

【mit-der-Katze】

24/2/16 20:22
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毎日少しずつ、進めている色彩検定の学習。
知らなかったことが、次々にあきらかになる楽しさ。
ただし、かなり専門的な事柄も当然多く。
生物学、物理学、化学、生活科学、美術等々、興味はあるけれども、表層をかじる程度だった事の学びなおし。

角膜、虹彩、瞳孔、水晶体、網膜…
名称は知っているけれど、具体的な働きまで意識しなかった「目」のしくみについての学びも、そのひとつ。
網膜に分布し、色を感知する「錐体細胞」には3種類があり、それぞれに主担当する色がある。
先天的もしくは後天的にこれが部分的に欠損、または十分に機能しない場合に、色盲などのいわゆる色覚異常が生じるのだと初めて、知り得た。

顕著な錐体の欠損がなくとも、細胞の分布や光源の強弱、最終的にそれを処理する個々人の脳により、色の感じ方は文字通り「十人十色」。
程度の差こそあるものの、それは正常/異常などという区別ではなく、身体的特徴や特性に近く、さらに言うならば、独自の感性や天賦の感覚に近いものだとも感じた。

たとえば、猫の視ている世界。
「三色型色覚」であるヒトとは異なり、「二色型色覚」である猫は、ヒトよりも感知可能な色が少ない。
しかし対して、嗅覚や聴覚は鋭敏であり、時にはヒトの
五感では感知不可能な存在さえも、感受する。

ともに世界に在りながら一生、
猫であるがゆえに、ヒトであるがゆえに、
世界を同じように感じることはできない。
それでも、最初は遠巻きに、しかし次第に近寄ってきては、ミャアと鳴きゴロゴロ甘える姿は可愛らしく、その存在はあたたかく。
ミャア、ゴロゴロとは返せない代わりに、
「かわいいね。」「大好きだよ。」「そばにいてね。」
そう、伝わるかどうか分からぬココロをつい、コトバにしてしまうのだろう。

ミルクやにぼしをあげたいけれど、おなかをこわしたり、何より、不意にいなくなったりしたら悲しい。
だから、私は猫は飼わない。

代わりに今日も、スマホの中のたくさんの猫にひとり、静かに癒されるというわけなのでした。


「...... まだ、集めていたんですか?」
「はい。集めてます。
同じ景色は見えなくとも、愛は深く、長いもので。」

なんてね。



久々にアプリ「ねこあつめ」より。
では、また。
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