「先輩に、ライブに誘われた。
一緒に行く友達が、行けなくなったんだって。
もしも、行けるのなら行きたい。」
そう、中1長男に言われた水曜夜。
会場は正直、平日の夕方に行くには近くは無い距離。
先輩はといえば、同じ部の3年生。
とはいえ、めったに部に来ず。たまたま来た時に、
趣味友として仲良くなったという。
親心としてはこの時期、「受験は…?」と、無粋な心配をしてしまうが、とりあえず。
先輩の保護者様と連絡が取れる事を絶対条件に、話を進めてみる事に。
同時に、金曜日の午後に2時間の、早退申請。
今週は、メンバー4人のうち3人が順番に有休取得。
よって、自分が2時間ほど「家庭の都合」で早退してもネガティブな反応はされないだろう。と予想。
翌日、木曜夕方。
まだ、先輩が保護者の連絡先を教えてくれない。
長男の表情が曇る。
意を決して、長男と先輩とのLINEに「母」として割り込む。
「ライブに行きたいのは、わかります。
何なら、私も行きたい。初音ミク大好きだし。
だから参加できない代わりに、現地までは送迎したいと思ってます。
しかし、それには保護者同士の同意が必要です。
2人とも未成年なので、移動距離と時間的にも、保護者の監督責任がありますから。」
長男のスマホ、必死に操作するフリック入力。
フリック入力難しい。が、かつての夜泣き後追い対応と比べたらこんなの、運指把握ゲームでしかない。
今思えば、両刃の剣だったとは思う。
しかしその直後、先輩ママと連絡がついた。
いただいたお電話を受けてひとしきり、先輩ママとお話しした。
把握完了。
端的に言って、予想外にとても楽しく、お話ができました。
「話はついたよ。
明日、私が付き添って送り迎えするからね。
費用は、お年玉から出すよ。いいね?」
その時の長男の表情をおそらく生涯、
忘れないだろうと思います。
少なくとも、私は。
続きます。