【草薙電脳艶戯倶楽部】(626)
草薙(49)
ヒミツ・不明/その他

【sesson 1】

24/1/28 01:22
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「先輩に、ライブに誘われた。
一緒に行く友達が、行けなくなったんだって。
もしも、行けるのなら行きたい。」

そう、中1長男に言われた水曜夜。

会場は正直、平日の夕方に行くには近くは無い距離。
先輩はといえば、同じ部の3年生。
とはいえ、めったに部に来ず。たまたま来た時に、
趣味友として仲良くなったという。

親心としてはこの時期、「受験は…?」と、無粋な心配をしてしまうが、とりあえず。
先輩の保護者様と連絡が取れる事を絶対条件に、話を進めてみる事に。

同時に、金曜日の午後に2時間の、早退申請。
今週は、メンバー4人のうち3人が順番に有休取得。
よって、自分が2時間ほど「家庭の都合」で早退してもネガティブな反応はされないだろう。と予想。

翌日、木曜夕方。
まだ、先輩が保護者の連絡先を教えてくれない。
長男の表情が曇る。
意を決して、長男と先輩とのLINEに「母」として割り込む。

「ライブに行きたいのは、わかります。
何なら、私も行きたい。初音ミク大好きだし。
だから参加できない代わりに、現地までは送迎したいと思ってます。
しかし、それには保護者同士の同意が必要です。
2人とも未成年なので、移動距離と時間的にも、保護者の監督責任がありますから。」

長男のスマホ、必死に操作するフリック入力。
フリック入力難しい。が、かつての夜泣き後追い対応と比べたらこんなの、運指把握ゲームでしかない。

今思えば、両刃の剣だったとは思う。
しかしその直後、先輩ママと連絡がついた。

いただいたお電話を受けてひとしきり、先輩ママとお話しした。
把握完了。
端的に言って、予想外にとても楽しく、お話ができました。

「話はついたよ。
明日、私が付き添って送り迎えするからね。
費用は、お年玉から出すよ。いいね?」

その時の長男の表情をおそらく生涯、
忘れないだろうと思います。
少なくとも、私は。

続きます。
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