【草薙電脳艶戯倶楽部】(626)
草薙(49)
ヒミツ・不明/その他

【nouvelle ère】

24/2/14 00:31
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午後8時半付近。
次男の宿題を見ながら、洗濯物を干しながら、洗い物をするというカオスな状況からの、響いた破壊音。

手が滑って、食器を割った。
結婚してから16年間、毎日、毎日使っていた食器。

「何かを失う時は、何かを新しく得る時。」

悲しみよりもむしろ、踏ん切りがついた瞬間だった。
ただ急いていただけの気持ちがふっと緩む瞬間のような、
誰かに軽く、頬を叩かれたような。

食器の破片を拾いながら、ありがとう。と思った。
最後にほっぺた、叩かせてしまったね。
ごめんね。

心配した長男次男が、眉根を寄せてキッチンに来た。

「だいじょうぶ?ケガ、してない??」
長男のそのひとことにむしろ、涙がこぼれた。

ありがとう。だいじょうぶ。
大きくなったよね。

食器の破片が残っていないかを、3人で確認してキッチンの明かりを消した。
次男の宿題は済み、洗濯物は長男の協力を得て終わり、
洗い物も無事、終了。

そんなこんなで、ひといきついたそんな、ひととき。

これからも私はたくさんのモノコトヒトと出会い、
別れてゆくのだろう。
しかしその都度、刻み込むようにその次第を出来うる限り、記憶に、記録に残したい。
たとえその事に、どれだけ非効率的に心を賭して、ひとりよがりに舞い上がり、手前勝手に傷ついたとしても。

とはずがたりの文章をここに、刻む。
そんな、理由。

では、また。






ありがとう。( ᵕᴗᵕ ))✨
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