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和歌山・不思議系

バスケットボール・ダイアリーズ

20/11/26 07:30
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実話なのであらゆる誘惑が身近にあるアメリカの怖さが感じられる。

「ギルバートグレイプ」の演技で主役のJジョニデより注目されてしまったディカプリオ。

この頃のディカプリオの美少年ぶりは目を見張るものがある。

もちろん、この作品より興行的に成功したものは沢山あるが、青春の揺れ動く危うさを演じさせたら彼の右に出る者はいないだろう。

まさにそれを体現してみせたのがこの作品だと思う。

この作品以降「タイタニック」の成功で大ブレイクしてしまいましたが、私としてはディカプリオは秀逸な小品でキラリと光る存在でいて欲しかった。

レオの演技は天才肌というか経験を積んで得られるうまさではなく持って生まれた才能だろう。

そしてマーク・ウォールバーグの悪童ぶりは板についている。
16歳で殺人未遂をおかしているのを始めありとあらゆる悪い事を実際やってきたマーク・ウォールバーグの顔つきはまだその頃の面影が残っているように感じる。

ハリウッドで活躍するモノが根こそぎドラッグに染まっていくアメリカという国のえぐさが普通の高校性の生活のほんの隣にあるということが伝わってくる。

ドラッグに溺れていく過程をここまで濃密に悲惨に描けている映画はなかなか無い。

顔の色、服の汚れ方、生活がどんどん荒んでいくのが容赦なく描かれていく。

心配してくれる母親や助けてくれる近所の友人がいた主人公は本当に幸運だった。

自分の息子が悪魔のようになっていく姿を一番身近で見る母親の苦悩はどれほどのものか。

多感な時期にこういうキワどい役を何本も演じたレオは天才子役あがりでは極めて稀に道を外れ切る事なく素晴らしいキャリアを築いている。

ここまでの役を演じると身に染みるものも違うのか。
そんな事まで感じてしまう凄い演技。
(c)gran-tv.jp