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和歌山・不思議系

エンゼル・ハート

20/4/26 02:05
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かつて天に戦あり。明けの明星と呼ばれる蜀天使ルシフェルは、「自分が神になりたい」と考え、天軍の三分の一を率いて神に反抗することあり。ルシフェルは神にかなわず、地獄へ落とされ、堕天使ルシファーとして、地獄で「サタン」として悪魔の帝王となった。
「どうせ神にかなわないのなら、神が創り愛している人間を悪の道に引きずりこんでやる」というのが、堕天使ルシフェルの願い。
この映画では、紳士「ルイス・サイファー」が、過去魂を売り渡す約束をして、変わりにヒット曲を出した人間の、魂の回収を図る。探偵が、秘法により顔を変えて、ルシフェルの追求をとめようとするが…
ルシフェルが、朝食に、卵を丸呑みする場面が、魂を丸呑みしているようで、実に恐怖をそそられる。第1級のスリル・ホラー映画である。
ロバート・デ・ニーロ様の怪演技が光っている。

ロバート・デ・ニーロ様とミッキー・ロークは、或る意味対極にある俳優と言えるであろう。
ロバート・デ・ニーロ様は「デ・ニーロ・アプローチ」と呼ばれる徹底した役作りで作品や演じる役ごとに多彩に変化する俳優である。
本作でも髪・髭・爪を伸ばし、謎の人物を妖しく演じている。
一方、ミッキー・ロークは自らの個性で役を演じる俳優であろう。
ロークの演技の特徴は彼の持つアウトロー的要素を活かした真実味だろう。よれたスーツ、ベルトの巻き方、眼鏡の掛け方、マッチを使っての火の付け方など、ともすればやり過ぎに思え、違う役者がやれば安っぽくなってしまいそうだが、ロークの振る舞いは様になっている。
己を知り己の見せ方を知っている。
これこそロークの真骨頂である。
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