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和歌山・不思議系

レッド・ドラゴン

20/5/29 00:23
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出た!私の大好きな俳優No.1のなんとエドワード・ノートン様が羊たちの沈黙シリーズの歴史を塗り替える!
当時はとてつもなく興奮した。同様大好きなアンソニー・ホプキンス様との共演!

レクター博士が冒頭に呟く
「芸術的な域にまで高めた想像力」は「嫌悪する相手の思考すら理解できてしまう」そして「それは苦痛の伴う事だ」と。
その特殊ともいうべき能力を持った者にのみレクター博士と対話する事が許される。
ミイラ取りがミイラになりかねない状況を常に孕みながら緊迫感を持ってストーリーは展開していく。
怪優アンソニー・ホプキンス様演じるハンニバル・レクター三部作の中では最終作だが、時間軸では「羊たちの沈黙」前の最初のストーリーで、クラリス・スターリングの役回りとなる元FBI捜査官グレアムを名優エドワート・ノートンが様が務める。

特色は、猟奇殺人犯の内面を最も深く描き、俳優陣が一番充実している事で、犯人ダラハイドの愛情への飢餓とグレアムの家族愛との対比が鮮やかで見応えがある。

本作だけがクラリスとレクター博士の異性愛ではなく、歪んで育てられた為に邪神に頼る犯人の哀しさと、彼を追い詰める謎解き犯罪捜査がメインのオーソドックスな展開となっていて、子供に対する「情操教育の重要性」や社会に存在する「幸福への妬み」を痛切に感じさせる。子育てとは未来の羊だけでなく怪物も造り出す点が示唆に富む。

アンソニー・ホプキンス様は相変わらずの不気味さを放ち、エドワード・ノートン様は犯罪心理捜査への苦悩と不安を醸し、ダラハイド役のレイフ・ファインズの憐れみすら覚える壊れそうな狂気、その相手役のエミリー・ワトソンの盲目女性の繊細な母性、この四人の演技は既にサスペンス映画の域を超えている!

更にクロフォード主任捜査官役のハーベイ・カイテルや新聞記者役の故フィリップ・シーモア・ホフマンも記憶に残る重厚さ。
ダニー・エルフマンの音楽も表現豊かに全編を引き締めている。

お約束のトリック含め、クラリス編に優るとも劣らない心理サスペンス界の堂々たる傑作。
(c)gran-tv.jp