個人的にケビン・ベーコンが大好きなので、その中でもこの作品は飛び抜けて素晴らしい演技力で、実話を元にした作品内容だから感動する。
クリスチャン・スレーター演じるジョームズは米国の人権派弁護士。
告発というタイトルがつけられているが、
原題は第一級殺人と言う意味。
重い。
とてもとても重い作品。
そしておそらく生涯心に残る作品だと思う。
人間の過ち、傲慢さ、残酷さ、醜さ。
看守という地位を与えられてしまうと人間はあそこまで傲慢になるものなのだろうか？
そして人間の尊厳とは？
いろいろなことを考えさせられる作品。
作るべくして作られた、間違いなく価値のある作品で実際にこの事件がきっかけでアルカトラズ刑務所は閉鎖となったよう。
主演二人の演技。ケビン・ベーコンは本当にいい役者。
本作の彼の演技は、たまらなく胸を打つ…。
そして、副所長演じるゲイリー・オールドマン様の、圧倒的な天才トランス演技。
その残虐さ官僚的な傲慢さは、権威のおぞましさとともにケビン・ベーコンの痛みをあぶりだす役割を果たし、最高のバイプレイを成立させている。
さすが！
生きることの勇気を呼び戻してくれる、渾身の大力作。
言葉にすると軽くなる重い作品。
ヘンリーはその昔、生活の困窮に堪え兼ね、たった5ドルを盗んだことで収容された。
ジェームズはヘンリーとの対話の中で刑務所内での所長・監守達による非道な拷問の実態を知る。
心優しいヘンリーがなぜ殺人をするに至ったか。
人として壊れかけていた囚人ヘンリーは弁護士ジェームズとの交流のなかで何を得たか。
人間の尊厳を問う、秀逸の作品。