月神さんのブログ(155)
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和歌山・不思議系

ブレイン・ゲーム

20/9/15 21:07
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名優アンソニー・ホプキンス様(82歳)は今も健在だ。
この作品当時はまだキリギリの70歳代だと思う。
あの「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター教授を彷彿とさせる名演だった。

ジョン・クランシー(アンソニー・ホプキンス様)は人の過去や未来が見える超能力者なのだが、娘を白血病で失くした重たい過去を背負って一人で生きている老人だ。
娘の死によって家族の絆は壊れ愛する妻は出て行ったままだ。
そこに旧知のジョー・メリウェザー捜査官(ジェフリー・ディーン・モーガン)が事件解決への依頼にやってくるところから物語は始まる。原題は『Solace』=「慰め」である。

人生の終焉に人は何を考えるのか。
生きている証である痛みや苦しみさえも大切なものと思えるのか。
それともそこから解放されたいと思うのか。
「安楽死」「尊厳死」を叶えることが殺人行為であるのかどうなのか。
「生きるための希望」「残された者たちの希望」とは何なのか。
アンソニー・ホプキンス様の狂気と悟りと慈悲の入り混じった目のなかにすべてが凝縮されていた作品だった。

中盤過ぎ、ジョーがジョンに向かって言ったセリフにホロリと来る。

「俺たちは人生に多くのことを望む。そして得るんだ。俺も得たよ。でも全然足りないんだ。」

さすが、アンソニー・ホプキンス様。
脱帽でございます。
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