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和歌山・不思議系

真実の行方

20/10/9 02:14
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この映画のオーディションビデオがハリウッド中を駆け巡ってスクリーンに映る前からエドワード・ノートン様の名前は映画関係者の中で一気に知られるようになっていたのは有名な話。
確かにエドワード・ノートン様の演技力は素晴らしい。
演技は学ぶ前にセンスだということがよくわかる。

2千人から選ばれた容疑者役のエドワード・ノートン様は、
新人とは思えない好演をしている。エド ワード・ノートン様の出世作であることはあまりにも有名。ノートン様ファンの原点となる作品。
リチャード・ギアが完全に喰われてしまっている。

シカゴで司教が惨殺され、青年アーロンが容疑者として逮捕される。辣腕弁護士のマーティン・ベイルは自ら志願してアーロンの弁護を担当するが、公判の過程で次第に明らかにされる事件の複雑さに自ら翻弄されてしまうのであった。

 「どんな善人でも悪事を働く事はある」というベイルの信念は司教と司教が主催する財団の腐敗、思いもしなかった公判の進展で揺らいでいく。そしてベイルは「真の悪」と対決せざるを得ない羽目に陥る。

 「2つの顔を持つ者はどちらが本物かをやがて忘れてしまう。」という「緋文字」の箴言の暗示は被害者へ向けたものか、犯人が自分自身を表現したものか、それとも現代の社会制度への嘲笑なのだろうか。

 公判後に"Primal Fear(根源的な恐怖)"に襲われ裁判所の出口に立ち尽くすベイルの姿は現代人が共有する根源的な不安を象徴しているのではないだろうか。

背後に挿入されるモーツアルトの「レクイエム」も映像の悲劇的な臨場感を高めている。

 ミステリーやリーガル・サスペンスを愛好する人には広く薦める。

(c)gran-tv.jp