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和歌山・不思議系

ジャッカル

21/1/1 07:59
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公開当時、「ダイハード」シリーズを代表作とし、
アクションスターとして名を馳せていたブルース・ウィリス様が冷酷な暗殺者を演じた作品。

原作は東西冷戦を舞台としたスパイ小説で有名なフレデリック・フォーサイスの処女作「ジャッカルの日」
フランスのドゴール将軍暗殺を請け負った正体不明の暗殺者、コードネーム「ジャッカル」。
ジャッカルがタイトルに入っているように、主役はジャッカル。
「ジャッカルを追う話」と言うより「ジャッカルが標的に迫る話」である。
敵役であるジャッカルに焦点を当てて、彼が冷徹な知能を駆使して標的に迫る様を描いた。その小説は後に原作に忠実に同じタイトルで映画化されたが、
本作はそれを現代風にリメイクしてサスペンスアクション映画として再構築したものである。

ブルース・ウィリス様と同じくトップスターであるリチャード・ギア演じる元IRAのスナイパー。
当時、まだテロの恐怖と独立運動の熱が生々しく残る「北アイルランド問題」に絡め、
最凶のテロリストと恐れられる「IRA(アイルランド共和軍)」に属する独立運動の闘士を、
「氷の獣」ジャッカルに対抗する「炎の獣」として解き放った。

ジャッカルが巧みな変装を入念な計画によって使い分け、
その冷徹な知性を駆使して暗殺計画を着々と進めるさまは原作の通り、まるでドキュメンタリーのようだ。

人目を避ける隠れ蓑を調達するためにゲイのふりをして巧みな話術で独身男性を誘惑するなど、
他の映画キャラなら悪役であってもやらないようなことも平然とやってのける。
氷のような男。

しかし追い詰められると、ひび割れた氷から邪悪な本性をにじませる…。

当時はトップスターが悪役をやるのも珍しかったので、それも話題性があったな。
今観ても十分おもしろい作品。
と言うか、技術の発達でスケールのデカい事件を描ける映画は珍しくなくなったけど、
この年代の映画は純粋に「映画としておもしろい」映画が豊富だ。

個人的にあまり魅力を感じないリチャード・ギアの出演作品としてはトップクラスの作品と思ってる。なおかつ相手役のブルース様がとても渋くてブランド物のスーツでビシッと決めた姿は本当にカッコいい。
(c)gran-tv.jp