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月神(35)
和歌山・不思議系

パルプ・フィクション

19/8/10 05:48
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私は「撮り方が斬新」とか「出演陣が豪華」とか、そういうところには魅力を感じなかった。
話もどこかの劇団でありそうなドタバタコメディの連続で、特にこれといってシュールというわけでもなく、ホントにどうでもいい話の連続。

ただ、全体の空気というか、渋さの中にも程よいガス抜きのタイミングがいいというか、シリアスなんだけど「ここで?」みたいなタイミングでふざける遊び心が作品の空気を殺.すどころか、むしろ引き込まれてしまう。

また、何度も見る度に新しい発見があって、特に所々に散りばめられた皮肉がうまく使われていて、特にトラボルタの末路には後半の何気ない伏線と繋がっていたことの発見には「流石、欧米的」と思った。

また、物語の最後がパンプキンとハニー・バニーの話に持ってきたというのも(これはあくまで私個人が)見終わってこの作品に惹かれた一番の要因だと思う。

だってそれまでは「ギャングの血腥い話」「おっかないサミュエル」「薬物の話」
「ブッチ大暴走」「死体処理の話」って、ぶっとんだ話だったのにその結末がパンプキンとハニー・バニーって…
多分あの結末だからこそ、このどうでもいい作り話=パルプ・フィクションにこれ程の衝撃を受けたんだと思う。

最後に、トラボルタ=敵のボスのイメージがあってか、しかもあの斬新な髪型。
この作品が再ブレイクのきっかけとなったというわけだが、それを感じさせない彼の存在感には流石。

ブルース・ウィリス様もマクレーンとは違った落ちぶれたボクサーの疲れた感じがでてて、表に出すぎない、控えめな演技がむしろ合ってたと思う。
(c)gran-tv.jp