絵を描くのが大好きな少年、フィン・ベルは、スケッチに出かけた海で、脱獄者アーサー・ラスティグの逃亡の手助けをする。
ある日、かつての大富豪のディンズムア夫人の邸宅を訪れたフィンは、夫人姪のエステラの遊び相手に指名される。そして、初恋に落ちる。
イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの小説を、舞台を現代に移して映画化した作品。
緑色で統一された衣装や美術の美しさ、BGMには、うっとりしてしまう。
絵を描くことに情熱を傾け、一途に恋する純朴な青年フィンにイーサン・ホーク。
フィンを翻弄する令嬢エステラに、グウィネス・パルトロウ（惚れ惚れするような美しさ！）。
その他にも、謎の老婦人にアン・バンクロフト、凄みのある脱獄囚にロバート・デ・ニーロ様と、キャスティングもぴったり。
ただ、ボロボロに荒れ果てた邸宅など、現実離れしたところもあるのだが、これはこれで幻想的な雰囲気を楽しめる作品だと思う。
エステラやディンズムア夫人など、人物像が中途半端だという印象もあるが、「出会い」と「別れ」を繰り返してきたフィンの数奇な運命を通して、「大いなる遺産」という意味がわかったような気がする。
離れるほど愛しくて、愛するほど苦しくて…
エメラルドグリーンのときめき
胸が締め付けられるほど美しく、切なく、狂おしい愛の物語。
イーサン・ホークが「僕がする事はすへて君の為なんだ 僕にとって何よりも大切なのは君だ と叫ぶシーンは涙が込み上げる。