リカから届いたメッセージは
他の女の子たちとは少し違った。
簡単な自己紹介とかは同じだけど、
何が違うって俺の出身の福島の方言が
さり気無く文末などに混ぜられていた。
確かに自分のプロフィールに出身は福島とは書いたけど…。
更に、地元の人間しか知らないようなローカルなネタまで書いてある。
「もしかして◯◯って近いですか?
あの辺りは最近◯◯になってるそうですよ!」
そんなメッセージから
自分の青春の記憶が呼び起こされてきた。
部活の帰り、
意味なくたむろったコンビニ。
レギュラーに選ばれなくて
こっそり泣いた遊歩道。
歩けど歩けど
田んぼばっかりだった家までの道。
だけど今よりずっと好きだった。
東京よりもずっと人の温もりがある場所。
気付けば俺はリカに返すメッセージを作っていた。
どうして福島のこと知ってるの?
もしかしてリカも福島が地元なの?
聞いてみたいことがどんどん膨らんできていた。