【派手だが粗末な銘仙と、だらしなく解けかけた帯が生温かい風に揺れていた。
簡単に結った髪もほとんど解け、汗で額や頬に貼りついている。
襟足の白粉(おしろい)が垢で浮いていたが、それすら艶めかしい。】
少し、そんな淫靡な雰囲気に憧れる。
デロリを好む、私としては。
本来なら隠しておきたい内に流れる雌の顔。
無防備に剥き出しの本能が、動物的に溢れ出る時、女の魅力は最大になるのかもしれない。
だけど私の場合そんな話題は、男性と交わすより、同性と交える方が愉しめるかもしれない。
歪んだ乙女気質はタチが悪い…。
【あの爪の中には虎列刺菌以上の毒が仕込まれているとしても、引っ掻かれるくらいはしてみたい】
男がそんな情動に焦がれるような妖艶な魅力は、
あと何回生まれ変わったなら備わるだろうか。