こだま日記(67)
*流歌*(53)
岩手・不明/その他

すけさん

16/9/23 20:08
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私の住んでいる町内は、
冬の寒さが厳しいからか野良猫はほとんど
見掛けた事がありませんが
『すけさん』は
コンビニやその周辺でよく見掛ける
大変人懐っこい野良猫でした。
白地に耳など数ヵ所が茶虎の入ったなかなかの美猫で
(性別は不明)
毛並みも悪くなかったので
半ノラだったのかもしれません。


一番よく見掛けたのはコンビニの入口付近で
だいたいいつもお行儀よくお座りしていて
お客さんが通りかかり
(お、猫だ)という風に視線を向けると
可愛い声で鳴きながら
体をすり寄せていました。

ある晩、息子の空手のスポ少の練習のため
そのコンビニ地付近にある施設に行ったとき
扉を開けて入ったのと一緒に
すけさんも入り込んでしまい、
同じく練習に来ていた他の親子とともに
大捕物を演じ、
丁重にお引き取り頂いた事もありました(笑


ある晩、そのスポ少の練習の帰り道
例のコンビニに寄ると
すけさんがいつもの場所に座っていました。

前を通る時に
「よっ!(*´∇`*)」
と声を掛け、買い物して出てくると
とことこ私達の後をついてきました。

えっ?と驚いていると、
今度は私達の車のボンネットに、とっ、と
飛び乗りました。
(ちなみにうちのはノアという車です)

とりあえず車に乗り込んでから

「だめだよ~すけさん~(´・ω・`)」
「うちには連れていけないんだよ~(´・ω・`)」
「帰れないから、降りてよ~(´・ω・`)」

などと、息子と二人ですけさんに懇願しましたがだめ・・・(当たり前か・・・)

驚いて降りるかと思い、ワイパーを動かしてみてもやはりだめ・・・


仕方ないので再び車を降り、すけさんをそっと降ろしてまた車に乗り込むと、
すけさんもまたボンネットに飛び乗ってくる・・・


他の人たちに
(この人何やってんの?)
という目で見られながら何度か同じ事を繰り返し
こうなりゃ最後の手段じゃ!と
すけさんを乗せたまま、そろそろと車を
バックさせると、
ようやくとん、と降りてくれました。

こちらをちょっと見て、
またコンビニの入口へ歩いていくすけさんを
確認し
苦い想いを噛みしめながら家へと
向かったのでした・・・・・
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