「前の彼女は大学も住所も知ってるのに!
なんで私は知らされないの!?」と、泣きに泣いた
彼は「いつか、言うから」としか言わなかった
「いつか、捨てる気でいるから、いいたくないんだな…」
冷静に考えると、私を「いつか、捨てる気でいる」のなんか、当たり前のことであろう
「日本で就職して、一緒に暮らしたい」それは嬉しい言葉だが、歌みたいに聞いておくことにしないと、私が病気になってしまう
「さりーを好きだから、4時間かけて会いに来てるんだよ!」LINEでそう書いてくる
でも私は、彼の住所も大学も、はては誕生日も知らない
「若い彼がいていいね」多方面から見られない人はそういう
そして私は「おばあさん(私)が、32も下のイケメン大学生に「なんでなの!」と泣いているみっともないテイ」にはしたくなかった
プライドたかたか女だから
街でデレデレもしない
毅然とした、歯医者の娘さんらしくしていた
きっつ
「あー、○歳若かったら」だなんて、決して言わぬ
過去の自分を否定したくないから
「ずっと恋人」私はそんなの嬉しくない
奥さんがいい
結婚したかった人生だった
だけど、愚かな自分が「愚かでなくタヒんでいく」ために、今想定できる事を考える
いつか、私は
「ずっと恋人」それだって、なんて嬉しくて有難かったんだろう、と振り返る未来が来るだろう
80歳になったら、絶対に思うはずだ
「あの日に帰ってやり直したい!」は、今なんだと考えるわけだ
だから、したことの、ないことをしてみるわけだ
我慢
ということ
彼の住所も大学も誕生日も知らされない
でも、いいんだ
我慢しておく
それをしないと、また私は1人になる
24年間、誰も私の名前を呼ばなかった
その月日を覆すが如く、彼は私の名前を呼ぶ
私が年上らしく、ものの説明をすると
「はい、さりー」とさえ