シーズンⅡ 現在5
…
…!コレって…!
…あの日が…最後になってしまった。連絡しようとしたこともあったけど…卑怯で臆病な俺は…怖かったんだ…謝ることもできずに今日まで…。自分が情けなくて…悪くて…。それに…あまりにもったいなくて…身に付けることが出来なかった。だから…新品だよ。Mariの形見だ。俺、コレだけは大事にしまっておいたから…。Aika、コレは君が持っていた方がいいんじゃないかな…
…Meguruくんっ…!…コレは間違いなくママが…ママが作ったものだね…
…分かる…のか?
…うん。ほら見て?…ここの四つ葉のクローバーの模様。
…あぁ、これ…?
…うん。…あのね、ママは…私が幼い頃、帽子も手袋もセーターもパンツも靴下も…毎年編んでくれたの。必ずこのクローバーの模様を入れて。暖かくて可愛くて大好きで…。
「Aika、これは世界にたった一つの幸せの帽子よ。コレを持ってる人は絶対に幸せになれるのよ😊ママが保証するっ💕」
って、手袋もセーターもパンツも靴下も、そう言いながら渡してくれた。ママのあの時の笑顔は忘れられないし、私は全部大切にとっておいてあるわ。
…でもね、なぜかママは、マフラーだけは私に編んでくれなかった。ある日デパートに連れて行ってくれて…可愛いマフラーを見つけて…買ってくれたのよ…。
……え?
あぁ…今…やっと…なぜかの"なぜ"が、今やっと…分かった…。Meguruくん、コレは…私が持つべきものじゃない。あなたが持つべきものよ。
……。
世界にたった一つの幸せのマフラー。それだけママは…Meguruくんのことが大事だったのよ。…あんなに愛してくれた私にさえ、マフラー、編んでくれなかったのよ?
……。
ほら、ね?…寒いから…私が巻いてあげる。ママはきっと…Meguruくんの首にこうして巻いてあげたかったと思うよ?あなたを…あたためてあげたかったはずよ…。
……。
マフラーはものすごく柔らかくて…
あたたかかった
続
(・∀・)Meguru