シーズンⅡ 過去2
あれは20数年前の2月14日
バレンタインデー…
君とこのベンチで…
…
「…Meguru?ねぇMeguru!何考えてるの?」
「あ…いや別に…」
「今私が話してたこと、全然聞いてなかったでしょ?」
「…そんなこと…ないよ」
「じゃあなんて言ってたか、言ってみてよ?」
「……」
「ほらっ、聞いてなかったじゃない。まったく…最近多いよ?何か悩んでるの?」
「…Mari、俺さ、これから…どうしようかな…って」
「…え?…これからって?」
「就職は…もう進むべき道は決まってるけどさ、なんか…こんなんでいいのかな?って。俺、もっとなんか…こう…色んなとこに行ってみたいし色んな人に会ってみたいんだよ。自分の可能性っていうか…何か出来る気がするんだ。会社に勤めたらさ、それだけで終わりだろ?何十年とそこに人生を捧げるのと一緒だろ?そんなんで…。」
「…何言ってるの?この就職難でやっと決まった、あんなに良い会社じゃない!喜ぶところでしょ?」
「分かる、分かるんだよ…だけど…」
「…Meguru、安定と挑戦って相反することだよ?せっかく決まった安定を捨ててまでやりたいことなの?」
「いや、安定した仕事、結婚、老後…って…それが一番だって考えるけど…まだまだ俺、できるんじゃないか…って」
「呆れた…。ねぇ…何に挑戦したいかも分かってないんでしょ?漠然としすぎてるわよ。…じゃあ、聞くけど、あなたのその未来に、私は…居る?」
「…え?」
「私は居るかって…聞いてるのよ。」
続
(・∀・)Meguru