「パーン!!」
乾いた音が響いた。
美保お姉様のビンタだ。
むっちりとした網タイツの脚に履いた、エナメルのピンヒールが意地悪にきらめいたかと思うと、ボクの顔面を踏みつけた。
お姉様と会わない間にオナニーしてしまったことへのお仕置き。
前回の刺激的すぎるプレイを思い出すにつけ、堪えに堪えたのだけど…
ついに欲望に勝てなくて。
「ここでしか出すなってあれだけ言うたのに…ヒロシ…お前、嘘ついたんかい??」
「あ…っ…やめて…美保お姉様…」
突如顔面を覆った痛みに、ボクは建前に過ぎない拒絶の言葉を口にした。
しかし身体…とりわけ股間は言葉とは裏腹だ。
すでにそこはいきり立ち、悦びのしるしを下着に滲ませている。
そこへ鋭い美保お姉様の視線が突き刺さっていると思うと…陰嚢に痺れるような疼きを感じた。
(あぁ…たまらない…)
恍惚としている暇もなく、ボクは髪を掴まれる。そして、顎に手をかけられ顔を上向かされた。
お姉様は、僕を意地悪く見つめる目を細めた。
「お前の口の中、私の舌で犯したろか?(笑)」
紅い唇が、楽しげに歪められる。
「普段は女のまんこにちんぽ突っ込んでんやろ?今日はお前の口の中で、女の気分味わってみたらええねん」
そう言ったかと思うと、無理やりにくちづけられた。
いや、違う…
無理やりなのはやっぱり表向きだけのことで…
ボクはより一層ちんぽに血が集まるのを感じた。
乱暴に押しつけられた、お姉様のやわらかな唇の隙間からするりと舌が滑り込んでくる。
滑り込むまでは素早かったのに…
何ともじっくりじわじわとボクの口内を犯そうとする。
ボクは焦ったさに身悶えた。
腰がびくりと震える。
お姉さまの舌は、ボクの口内へ侵入しては引いていく。
浅いところをじわじわと進んでは退き…
そうだ…これはまるで男が女の中を堪能するのと同じさまだ。
まるで自分が女になったかのような恥ずかしさと、甘美な快感。
美保お姉様のちんぽ…いや、舌の動きに合わせて身体を震わせながら…
ボクはこれからの長い退廃の時間を思い、早くも期待で達しそうになるのを必死に堪えるのだった。
(完)
By 団 美保六