途中まではありがちなモンスターパニックものかと思っていたが、
S・キング原作の本作は全く違った。
本作は一見、モンスターパニックに包まれてはいるが
極限状態における人間の心理を巧みに表現した傑作であった。
宗教マニアの女が終始うるさくてイライラするのと
黒人の弁護士が嫌なヤツだったので、
観ているものも納得の展開である。
僕を怪物に殺させないでと言われたからか、
ラストの展開は衝撃的だが
自分には絶対にない選択肢。
あと少し、あと少し待てなかったのか
何が何でも生き抜くという選択はできなかったのか
愚かな行為への皮肉である。
ラストについては原作者のキングと監督が話し合って決めたことだからこれでいいと思います。
ラストに向かうまでの人物の描き方が薄くて、この決断は仕方がないと見る者に思わせる力が足りなかった。
主人公は結局は行動力のあるバカだったのではないかと思わせる不思議な映画です。