食と色にまつわる、エトセトラ。
ワインバーの、マスカルポーネ。
アイリッシュバーの、
シガーとチョコのかおり。
居酒屋で初めて食べた、
ごま油と塩まみれのレバ刺し。
何だか酒場ばっかりなので、色事系も。
8年交際して別離した和泉男子と、
難波で食べたイタリアン。
和泉男子と別れる一年前に、
とある眼鏡男子と食べた、ハプニング後朝のプレーンオムレツ。
和泉男子と別れた後に難波男子と食べた、
とある駅のモーニング。
丑三つ時、ひょんなことから時を同じくして食べたベーコンエッグ。
値段や食材に関わらず、本当に「美味しい」と感じた時、味や香りがねっとりと融解し、舌と鼻にゆっくりじんわり、からみつく感じがある。
本当に美味しかったな。と思うのは後日譚でその時はそれすらなく、ただうっとりとした多幸感に全身で、潜り、浸る。
ただただハードでしかなかった5日間、明日明後日も家族行事の土日。
仕事から帰宅し、子供たちに夕食を用意した途端に、燃料計がEを指した。
子供たちの就寝時間である21時の少し前に目覚ましをセット、そのまま爆睡。
目覚ましでどうにか起きて、子供たちの諸々を片付けて家事も終わらせて。
気付いたらわけもなく、絶望的な気分になっていた。
・・・そうだ。燃料計Eだった。
ドラマ「孤独のグルメ」のゴローさんの気分。嗚呼、今ならわかる。
溶き卵に、牛乳と塩コショウをしてレンチン。
卵がふくらんだら止めて、ケチャップを。
冷蔵庫に残っていたほうれん草をバターソテーし、添える。
ふと、何年かぶりに食べたくなった懐かしのメニュー。
この感覚はもしかすると学校給食に近い、かも知れない。
こうして味覚で追体験はできてももう、二度と戻れない時間。
それでも、かけがえ無き思い出だけがある事の、幸せ。
テーブルには作りたての、ガンダムフルバーニアンPGが座っていて。
それを肴に、缶チューハイを2人で飲んだ。
工学系眼鏡男子お手製の即席オムレツは今、追体験しても本当に美味しくて。
あの時に酔っ払った勢いでなんぞ、あってもむしろ結果オーライだったかも。なんてね。
でも、そうならなかったから今がある。
今現在、万歳。
ごちそう、さまでした。
ではでは、また。