【草薙電脳艶戯倶楽部】(629)
草薙(49)
ヒミツ・不明/その他

【steam】

23/1/13 18:50
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小6長男に、
調味と調理の才能を見出した小学生最後の冬休み。

「家庭内で調理実習をして、その内容をタブレットに記録する」という今様な宿題にどうしたものかと思いつつ、
「ごはんと味噌汁でいいじゃん。俺が一緒にやるよ。」と俄然、はりきる料理が趣味の夫にそれならばと、トレーナー兼監督をお願いした。

ごはん、味噌汁、焼き魚に付け合せのシンプルな夕食だったが、食べてみて、大げさにではなく驚いた。
あきらかに我々保護者よりも、長男の調味と調理が、倍増しで美味しかったのだ。
夫と同じく、味の好みにわりとうるさい次男がごはんをお代わりした事からも、これは単なる、親バカからくる味覚作用などではない… と思う。

「才能あるよ、料理に。すごい。毎日こんなごはんだったら幸せだな。。。」
などと全力でほめると、
「毎日炊いてもいいよ。ごはんぐらい。」
などと、わかりやすく浮かれた返事。

実は長男には、学童に通わなくなった高学年から、毎日の洗濯物の取り込みと干し物をお願いしている。
出来高制でお小遣いにも関わるため、ご機嫌ナナメの日でも取りあえず、ブンむくれながらも仕事は、してくれる。
フルタイム勤務の私にとって、過度の依存さえしなければたいへんありがたく、頼りになっている。

長男のプレ思春期の影響が私自身に、かつてない負荷を与えている、近頃。
それでも、長男の炊いてくれるごはんは間違いなく、美味しい。

その事に救われて、今宵も私はキッチンに立つ。
炊飯器から立ち昇る、白くて柔らかな湯気に、包まれながら。癒されながら。



では、また。
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