「はるすぎて
なつきにけらし しろたへの
ころもほすてふ あまのかぐやま」
百人一首、第二首め。
持統天皇の御歌。
この歌のせいか、夏、というと私にはいつも、「白」というイメージがあります。
ひょんな事から漫画「ちはやふる」に心酔し、
百人一首が大好きだった頃の、気持ちを想起。
「はるすぎて」の歌を折からの夏の陽射しと、
熱を含む風に、色鮮やかに想い出して。
久々の、艶戯画と相成りました。
遠い遠い昔のことなのに色あせることのない、
恋や愛、喜怒哀楽の情。
いつの世も変わらない、
情の幾多の糸が織り成す「物語」。
過ぎし日々の、文字や絵画を通じて、
誰かの、自らの色鮮やかな思い出を追体験できる、そんなひそかな、ささやかな、歓び。
白地に舞う赤い花、というおよそ、自分には似つかわしくないワンピースを買ったのはもう、思い起こせば7年も前。
ワンピースのすそは長く、歩くたびにまるで、
持統朝の女性の、裳裾のように揺れます。
その揺れを、ゆらぎを、
ただ一途な白き妙を、
今夏こそ、ふたたび。
では、また。