昔から、
いったん火が付くと熱情のおもむくままに疾走する、疾走してしまう傾向がある。
熱いことは、悪いことではない、
しかしながら、疾走することが美徳かといえば必ずしも、そうではない。
熱情ゆえに疾走し、自らは法悦楽の極みであっても、他者から見れば、目をおおうような醜態であったり。
この現代にこうして、世に自らを放ち続ける限り、それは、避けられないこと。
でも。しかしながら。
せめてもの、艶戯をば。
「かくとだに えやは伊吹の さしも草
さしも知らじな 燃ゆる思ひを」
百人一首、第51番。
藤原実方朝臣が詠む、
「はじめてのこいぶみ」。
難しいオハナシは、無粋ゆえ省略。
1000年以上前の御歌、それでもわかりますよね。この、ひとことは。
「もゆるおもいを」。
この御歌、めっちゃ中二病なんです。
技巧を凝らし、回りくどい表現を幾重にも、
駆使しています。
でもね。最後にわかりやすく、本心。
「もゆるおもいを。」(二回目)
実方くん、
実は職場で乱闘やらかして、左遷されています。
自分の作った、自信作の歌を、職場の同僚に酷評されてガチギレ。
同僚の冠を、はたき落としたんですって。
実方くん、カッコいい。
生まれる時代と場所を間違えたな……なんてね。
今も昔も、職場でそれやっちゃダメだけれど。
彼の詠んだ恋歌はこうして、残りました。
最近、熱暴走してないな。
ふと、気付けば。
実方くんに触発されて、今ひとたびのこの身、このココロの熱をば、
解き放ってみようかな・・・
なんてね。
では、また。