【草薙電脳艶戯倶楽部】(629)
草薙(49)
ヒミツ・不明/その他

【session 2】

24/1/28 20:31
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さて。
何とか話もまとまり、翌金曜日16時。
駅の改札付近で、長男と先輩を待つ。

まずは、長男到着。
小鹿みたいに、ぴょんぴょん跳ねてやって来た。
朝、起床時からそのままの寝ぐせまでもが、まるでアニメのアホ毛のようにピョンピョンと楽し気に揺れている。

ついで、先輩到着。
長男が手を振ったその先を見たが一瞬、可視範囲のどの少年が先輩かわからず「え??」と疑問符が浮かんだ。
突飛行動が今回だけではないと親御さんから電話にてうかがっていたこと、加えてLINEの文面の雰囲気から抱いた先入観などから一体、どんな無頼漢が現れるのかと内心、身構えていたのだ。

しかし現れたのは、「和製ハリー・ポッター(ミニサイズ)」。
身長179cmの長男の肩までもあるかどうか、そもそも169cmの私よりも若干背が低い感じの、丸い銀縁眼鏡が良く似合う、見た目でいうなら無頼漢というには程遠い少年だったのだ。

「あらー……あらあら、はじめまして。」
自分でもオバチャン丸出しの反応だなと思いつつも、意外なキャラ登場に不安が、ちょっとした楽しみへと急展開。
この手の眼鏡はなかなかに、持ち主を選ぶ。
本人のセンスか親御さんのセンスかは不明だが、おぬしなかなかやるな……!

はにかみながら、ひかえめに挨拶する彼の様子を見て、もしかしてLINEに割って入った時から「コワイオカアサン」みたいな先入観を与えたかも知れない事を少々、後悔。

「だーいじょうぶ!こわくないよ?
私も初音ミク大好きって書いたよね?よろしくね!
どうでもいいけど眼鏡めっちゃ似合うー( >ω< )bグッ」

……などと言えるはずもなく、そこは極めてオトナらしく「じゃ、行こっか!」とひと声かけるにとどめた。

幕張までの1時間20分は、慣れない乗り換えも手伝って緊張のうちに過ぎ。さて無事、予定時刻に幕張駅到着。

夜の幕張駅の、エレクトリカルパレード状態にまずは面食らう。
極彩色の謎の半球や、うっかり田舎者が住もうならば発狂するのではないかと心配になるような窓。
燦然と輝くMAKUHARIの文字。
そして絵に描いたような摩天楼。

千葉の都会指数の高さに圧倒されつつ、時間を見れば、開演20分前。
2人を伴い足早に、ライブ会場へと急いだのだった。

続く。
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