待ち合わせはお蕎麦屋さんだった。お店の前で待っていた彼と裏口で待っていたポンコツな私。10分遅れでなんとか合流できた。
お互いを見つけた瞬間、彼がとろけるような笑顔を見せた。想像以上にかっこよくてこちらまで少し緊張してしまう。
緊張すると言いながらビールを飲む彼がかわいい。2ヶ月間チャットだけで会話を続けていた私たち。写真すら交換した事がなかった。でもお互い強く惹かれあっていた。そんな私たちが遂に対面でデートをしている。夢みたい。
2軒梯子して、飲みながら夢中になっていろんな話をした。一旦外に出て少し歩く事に。「手を繋いでもいい？」恥ずかしそうに聞く彼にこちらまで照れてしまう。手を繋いでたくさん歩いた後、3軒目に入ると4人がけのテーブルで「隣に座ってもいい？」と彼は私の隣に並んで座った。至近距離でしっかりと私を見つめながら話を聞く彼。たまにボディタッチ。だんだんと距離が縮んでいく。
3軒目を出るエレベーターの中で抱きしめられて「もっとずっと一緒にいたい」と頭に優しくキス。私ももっと一緒にいたい。ホテルへ行ってもっとくっつきたいという彼に少し戸惑う。今日はそのつもりで来てはいなかった。でも私ももっと近づきたいと思った。
「この先にホテル街があるみたいだからパトロールしながらどうするか決めよ？」だいぶお酒も入って大胆になってきた彼が言った。ホテル街ではカラフルなネオンがそれぞれのホテルをアピールしていた。その中で『H』が消えて『OTEL』になってるネオンサインを見つけた彼。「初日でホテルに連れ込むわけには行かないから、オテルにしとこっか！」思わず笑った私の手を引いて、彼がオテルへ入って行く。