【草薙電脳艶戯倶楽部】(629)
草薙(49)
ヒミツ・不明/その他

【prominense】

23/7/7 00:13
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昔から、
いったん火が付くと熱情のおもむくままに疾走する、疾走してしまう傾向がある。

熱いことは、悪いことではない、
しかしながら、疾走することが美徳かといえば必ずしも、そうではない。
熱情ゆえに疾走し、自らは法悦楽の極みであっても、他者から見れば、目をおおうような醜態であったり。
この現代にこうして、世に自らを放ち続ける限り、それは、避けられないこと。

でも。しかしながら。
せめてもの、艶戯をば。


「かくとだに えやは伊吹の さしも草
さしも知らじな 燃ゆる思ひを」

百人一首、第51番。
藤原実方朝臣が詠む、
「はじめてのこいぶみ」。

難しいオハナシは、無粋ゆえ省略。
1000年以上前の御歌、それでもわかりますよね。この、ひとことは。

「もゆるおもいを」。

この御歌、めっちゃ中二病なんです。
技巧を凝らし、回りくどい表現を幾重にも、
駆使しています。
でもね。最後にわかりやすく、本心。

「もゆるおもいを。」(二回目)

実方くん、
実は職場で乱闘やらかして、左遷されています。
自分の作った、自信作の歌を、職場の同僚に酷評されてガチギレ。
同僚の冠を、はたき落としたんですって。

実方くん、カッコいい。
生まれる時代と場所を間違えたな……なんてね。

今も昔も、職場でそれやっちゃダメだけれど。
彼の詠んだ恋歌はこうして、残りました。


最近、熱暴走してないな。
ふと、気付けば。
実方くんに触発されて、今ひとたびのこの身、このココロの熱をば、
解き放ってみようかな・・・

なんてね。



では、また。
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