「足の指のあいだに、ぬるめのシャワーあてると気持ちいいよ。
ちょっとエッチな気持ちになれるからおすすめ。」
オンラインゲームを通じて知り合った、ひとつ年上の妖艶な人妻からのささやき。
「足の五指の、そのあいだにひとつ、
またひとつと舌先からすべり込ませつつ、
ゆっくりと弄ぶように愛撫してゆく。」
古今東西、文学にしろ映画にしろありがちな性描写。
古来からの表現であるからおそらく、何がしかのエロスの種子/趣旨がこの、身体の間隙には潜伏しているに違いあるまい。
そんなわけで。
悪友に自慰の仕方をこっそり耳打ちされた女学生みたいな心持ちで、実行。
士郎正宗氏の原作版「攻殻機動隊」の作中において、草薙素子少佐が希少な休暇中に懇意の女友達ふたりと、同性3Pによる電脳バーチャルファックを楽しむシーンがある。
任務上仕方なくそれをのぞき見た同僚のバトーが、思わずこう叫ぶ。
「ナメクジの交尾かよっ!」
この台詞について士郎氏は、「男性型義体とそれに伴う感覚しか持たないバトーにとっては、
女性型義体とそれに伴う快感が上手く連動せず、このようなセリフになったと思われる。」
と、いう主旨の解説を付している。
ナメクジ、とはいかないまでも、これかな。
と、ふともう、半年も来ていない月経を思う。
肩を揉むと、両親が、祖父母が気持ちいいというから羨ましくなり、自分も揉んでもらったけれど単に、くすぐったいだけに終わった。
あの感じとも、隣接しているような。
………そうか。
必要でない、と、脳と身体で判断された能力はどんどん、衰退していく、らしい。
ただ、衰退=悪、ではなく。
衰退したから逆に、培われるココロの在り方、感じ方がこれからどんどん、年輪を重ねる毎に増えていく。
そんな気も、するから。
さてはて。
お風呂は、足の指アッハンなんて気にせずに、つかりたい。
今、鬼滅のコミックを読みながら20分、湯舟でのんびり過ごすのが大切な時間。
「ナメクジの交尾」については追々、
五十路に向けてゆっくり、模索してゆくかな。
交尾が、嫌いになったわけじゃないから……
なんてね。
では、また。