【草薙電脳艶戯倶楽部】(629)
草薙(49)
ヒミツ・不明/その他

【dear.】

22/10/16 01:06
103 31
出会いは、中学2年生。
親しかった友人の熱心な勧めで、CDを借りて聴いたのが最初。

CD?
もしかして、最初はカセットテープだったかも知れない。いや、きっとそう。
あの頃、実家にCDラジカセなどなかった。
歌番組開始のテレビに、録音機能のついた家電をそっと近付けて「静かにしててよ!」と家族に厳戒令を敷いたりしていた、そんな時代。

ちょっとしたファザコンの影響もあって「眼鏡男子でなければオトコじゃない。」ぐらいの勢いでフレームに反応していたまさに、いや、今とあまり変わらない現職中2。
歌詞の深意も知らずにただ、その曲調、かつて聴いた事もない歌声に魅了されていつしか、自分でCDを購入するまでには、ファンになっていた。

今宵、ひょんな事から現在、海外でジャズピアニストとして生活している大江千里のインタビュー及び実際のライヴの様子を視聴した。

日本での活動をすべて棄てて海外に渡り、やりたかったジャズをいちから勉強。
時にはまわりから軽んじられ、バカにされながらも、ひたすらに学び、時間をかけて今、自分のやりたかった事が出来る幸せを手に入れる事ができている。と。

大江千里という存在にもう30年余り魅了されて止まないのは多分、彼の天性の、
「楽しそうにしか見えない様子」だと思う。

たとえつらいことがあっても、
彼の指はいつだって、幸せを感じている。
触れたい鍵盤があり、それに触れ続けられる事が、自分にとって幸せ。
だから、逆境がつらくとも鍵盤から心と、指を離さなかった。

愛ゆえに、楽しい。をあきらめない。
かけがえのない、大切なこと。
そんな気がした深夜の、涙。
佳き涙活、でした。

スマートな若き日の千里さんも、
ちょっと恰幅が良くなって、白髪が増えた千里さんも、どちらも、変わらずに大好きです。

変わらぬ少年のまなざしと、
眼鏡男子に、乾杯。

では、また。
(c)gran-tv.jp