9月24日、土曜日。
12年ぶりの、ひとり旅。
目指すは奈良、西大寺。
とある小説に触発されて、16歳ではじめてひとりで来訪してから31年。
ここに鎮座している、文殊菩薩という仏像にずっと、心惹かれまた、拠り所としてきました。
首都圏に居を移し、姓が変わり、母となってからは、来訪叶わず年月が流れる事、12年。
「いつか、きっと会いにいきます。
待っていてください。」
折に触れてずっとそう、想い続けてきました。
様々な事のタイミング、そしてまさしく、機が熟したのでしょう。
3連休、息子たちを伴い実家帰省が叶いました。
隣県である奈良までは、鉄道で2時間足らず。
ゲームのオンラインイベントに熱中する息子たちを実家に託してひとり、早朝の実家最寄り駅に立ちました。
高校時代の朝の通学時と同じ、定刻。
在りし日のセーラー服のスカートの裾がふと、朝陽に揺れるのが見えました。
それからは正直、
夢の中のような現実感の無いひととき。
背負う赤子も、手を引く幼子もいない。
山ほどのオムツも、着替えもない。
唯一の、手持ちの小さなバッグに入っているのは、スマホとハンカチとティッシュ、お財布に日傘だけ。
単身の身軽さと、ふと生じる心もとなさ。
ひとりであるのに、ひとりではないことの緊張感。
乗り換え、次の列車に揺られて、心中の交錯する想いを速度で振り払うかのように、身体は目的の地へと運ばれていったのでした。
少し、続きます。
お付き合いいただければ、幸いです。
(｡ᵕᴗᵕ｡)）