昨年の冬に初めて、Netflixで映画版を観た。
視覚的なイメージを獲得した事は読了に一役買い、辻仁成の青版を読了する事に成功。
しかし青版とは違い、読み進められはするけれども一向に心に入ってこなかったこの一冊を、実に20年かけて本日、読了。
読書好き。長風呂好き。単身好き。アルコール好き。
想い入れが、細く長く、静かに深い。
読むほどにヒロイン「あおい」と自分は似ていて、そして、似ているけれどもし、境遇が同じでも、同様にはならないだろうな。と思う。
当たり前だけれど。
環境音楽、という言葉がある。
いわばこの一冊は「環境小説」なのだと、20年前には思い付きもしなかったコトバが出る。
それこそ、バスタブに浸かりながらぼんやりと読み流して、
「イタリアええなぁ。
はー、サイゼリヤで昼飲みしてえ・・・」
ぐらいに思いつつ、雰囲気を楽しむお話でいいのかな?と。
いちばんおもしろかったのが、青・赤それぞれの、作者のあとがき。
どれだけ濃密なラブシーンを演じても、
「役者」としての矜恃と唯我独尊がある限り、ふたりは好敵手。
そんな妙を感じました。
まてよ。
あとがきから読めばもしかして、20年もかけずに読了できたのか・・・?
そんな事はないですな。
今だから解る事、ばかりだとは思うから。
ともあれ、読書の秋です。
10月27日~11月9日は読書週間。
みなさま、本を読みましょう!
って。結局CMかよ。
以上、図書の現場から、
場末の司書がお伝えしました。
では、また。
追伸。
「スプラトゥーンのエロスとタナトス」。
必ずやブログにいたします。むぅ。