勝負下着、やぶれたり。
勝負に敗れたわけではない。
物理的に破れたのだ。
巣鴨で販売していると噂にきく赤いアレ的な、
最初から霊験をうたったものではなく。
「これをはくとなぜか上手くいく。」という事例をたびたび経験するうちに、自然と普通の下着から、勝負用に昇格した感じだ。
いったいどれだけ、この下着の功徳にお世話になった事だろう。
仕事、試験、その他賭け事ではない真剣勝負等々、数え上げればキリがない。
連日、手洗いしては干して、また翌日使用する。
振り返れば、そんな時期もあった。
代え難き戦友とはいえ、いつかは、棄てねばならぬ日が来る。
そう覚悟はしていた。
10年20年もののジャケットやシャツなどとは、
わけが違う。それもわかっていた。
それでもやっぱり破損発見時は悲しくて、縫合しようかとさえ思った。
が、しかし常識的に考えてさすがに、それはあきらめた。
丁寧にたたんで、なるべく綺麗なデザインの紙袋に入れて、廃棄準備をした。
棄てねばならぬ、と決めてしまうと、悲しさよりも「刷新」という機運が高まる。
別に勝負下着がなくとも、勝負は出来る。
実際、挑めて、勝てさえもした。
絶対にそれしかない、と思うと苦しいが、他に選択肢と可能性が星の数ほどあると思えば
「パンツ1枚ぐらいなんだ。」という気分になり、今までの自らの涙ぐましいこだわりが笑えてくるから、不思議である。
まぁ、なんだ。
勝負云々はさておきとりあえずいっちょ、
諸々刷新のために、新規購入と参ろうか。
では、また。