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宮城・人妻系

官能小説 負けるもんか(6)

21/10/14 16:33
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「シャワー借りるね」
入った瞬間、瑠莉はいきなりこう言い放った。
久しぶりでも、遅くにごめんでもなく。
相変わらずの様子に半ばあきれながらも、変わってない瑠莉にほっとしている僕がいる。
ほっそりとした横顔、甘いムスクの香り・・・
浴室に向かう瑠莉を見ながら、僕はひとつ深呼吸をする。
心が落ち着くように。瑠莉の香りを吸い込む為に。

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あの娘の事がまだ気にかかるの
灯りを消してからやたら長い
もう忘れて同じ事でしょ
ここまで来てるのに言い訳できないわ
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結局僕らは同じベッドに入った。
部屋に飾っていた澪との写真を見て、
「海斗は真面目だから、同じベッドに寝ても何もしないよね」
って、いたずらっぽく言うもんだから・・・
どうやら僕は、まんまと瑠莉の挑発に乗ってしまったらしい。

電気を消してどのくらいたったんだろう。
僕には数時間にも感じられたが、実際には数十分程度のものだったかも知れない。
暗闇に慣れた僕の目に、ベッドに横たわる瑠莉が見える。
長い髪が波打っていた。部屋の空気がいつもより濃い。

不意に瑠莉の右手が僕の太ももに置かれた。
そのままぺニスをまさぐり始める。
シーツの中は、あの日のように熟れた果実の香りが充満している。
瑠莉は僕の左手をそっと自分の下腹部に導いた。
瑠莉のそこは、しとどに濡れていた。しばらくお互いをまさぐり続ける。
「・・・何故・・」
今になって・・喘ぎながら尋ねる僕に、同じような喘ぎながら瑠莉が答えた。
「したかったから・・・」
僕にとっての呪文。「シタカッタカラ」
次の瞬間、僕は瑠莉に覆い被さっていた。

―――――――――――――――
いけないぜいけないぜ
構うもんか構うもんか

誰にもきっとばれずに
このままずっといければ
ぐらついたPassion
飛び込んでAction

構うもんか
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遠くでスマホの画面が、一瞬白く光って消えた。
明日は澪に朝一で電話をしなければ。
「ごめんな、やっぱり寝ちゃってさ」
そう言って謝ろう。

そんな事を考えながら僕は瑠莉の中に溺れていく。

〈完〉
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