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長野・天然系

追想 クリスト氏の思い出

21/9/14 01:27
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ご訪問ありがとうございます。

ニュースで故クリスト氏のプロジェクトで、パリの凱旋門が布で包まれたことを知りました。
クリスト氏は大きな建物を梱包したり、島を囲ってしまったり、環境アートと呼ばれる分野での第一人者であり、私の尊敬する芸術家の1人でした。

美術の教科書で、彼の作品を見たことがある人 多いのではないでしょうか‥?
私は中学の時、谷に巨大なオレンジ色のカーテンを吊した ヴァレー・カーテンを見ました。
日本でも行われた「 アンブレラ・プロジェクト」に参加できたのは、私の誇りです。
まあ‥大勢の中の1人でしたが‥。

短大の1年の時に、神戸の美術館でクリスト氏の講演会を聞きに行きました。
私の目の前で締め切られ、床でいいので‥と無理やり お願いして中に入れてもらいました。
講演会が終わり彼にサインをいただきました。
前年に軽井沢の美術館で、展覧会をじっくりと見てカタログは その時に買った物でした。
その時から‥あこがれの人達になりました。
隣に彼の奥様のジャンヌ・クロード氏がいらっしゃったので、彼女にもサインをお願いしました。
彼女は驚いて、私に聞き返しました。
クリスト氏は、ほらね‥というような顔をして微笑みを浮かべています。
彼のプロジェクトを献身的に支えていたことを知っていたので、お二人のファンなのだと伝えたかったのです。
おそらく、お二人のサインをいただいた最初の日本人だと思います。

そして、アンブレラ・プロジェクトに絶対 参加したいと決めたのも、この時でした。
実現したのは、予定より1年遅れでした。
設置から、設置後の監視の作業までいました。
多くの人は、設置だけでしたが‥天候が悪く 予定した日に傘を開けることは出来ませんでした。
雨の中、奥様が奔走をしている姿も見ました。
いつも このようにしているのでしょう‥。
残った少人数で傘を開ける作業をしました。
ハンドルを廻すと、青い大きな傘が開いて行く‥
あの感動は忘れられません。
クリスト氏と奥様は手を繋いで現場に現れたり‥
お二人で期間限定の、その刹那的な風景を楽しんでいました。
とても微笑ましい光景でした。
お二人のご冥福を祈って‥。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

良い1日になりますように‥。
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