この作品の心情を理解し切るのは、平穏な環境で育った人間にはとても無理だろう。
ましてや、
『親の面倒を子が見るのは当たり前』
とのたまうようなノーテンキ人間にはとても理解出来まい。
近しい身内に犯罪者や異常者が居た人間が、まともな道を歩むことがどれほど大変かは普通に育った人間にはとても理解出来ない。
常識、というものを普通に身に付けられた事がどれほど幸せな事なのか、をこの映画を観るとよく分かる。
そして、必死に自分の力で一つづつ常識を身につけてきた人間の苦悩も。
素晴らしいキャストによる、あまりに哀しい人生の連鎖…