重たくなった靴底の泥をハラいながら、森の先へと進みます。
この先に出口はあるのか??
それとも、奥へ奥へと迷い込んでいるのか・・・
一体、どこまで続いているのでしょう。
グルグルの森に迷い込んだ生き物は、数え切れないほど、、。
全貌を知る者は誰もおらず、どのような所か分かりません。
誘われるように森へ入った者。
伝説を作るんだと吹聴して回り、軽い気持ちでやって来た者。
やがて、彼らは絶望の淵に立たされます。。。
ほら、、、耳を澄ましてみて。
「ねぇ、ねぇ。このヒトも同じ顔」
「そうだ、そうだね。皆、おんなじだ」
「ココそんなに悪くない、グルグル・・・」
聞こえてきましたよ、あの小さな声。
案内人?ヒト?
いや、未知の・・・
声から離れようと足早に去ります。
重たくなった泥が、とても煩わしく急ぐのも困難ですが・・・
シトシト、シトシト
降り続く雨。
さっきより強いかな。かなり歩いた感じはあるのに、とくに喉も乾かない。
不思議だな。
足は重たいが、疲れはしない。。。
とにかく、急がねば!
出口はあるハズさ。
探すんだ、ゼッタイに。
「ふふふ、始まった」
「うん、面白くなってきた」
グルグル、、、
ついて来る。やめてくれ。
頭が痛くなりそうだよ。
グルグルって、ナンだよ。
♪♪♪ ♪♪ ♪♪♪
ん?コレは・・・この音は
笛?オカリナ?
♪♪♪ ♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪ ♪♪♪
とても優しい音色ではあるけれど、まとわり付く感覚に冷や汗が止まりません。
どこから?
音のする方向を探ろうにも分からない。
そっと消えていく笛の音色。。。
「聞こえたの?」
「聞こえたみたいだよ、あの音色」
「ふーん、、、グルグル」
・・やめてくれ
ずっと、ずっと、、なのか?
そう。ずっと、ずっと。。。
その小さな声は
この先 ずーーっと、追いかけてくることになるのです。
凛香