姉は昔から社交的で、皆の輪の中心にいた。
しっかりしてそうに見えてぬけたところもあり
それがまた姉の魅力だった。
私は、逆に引っ込み思案で、いつも姉の後ろに隠れてるような大人しいタイプだった。
でも、人に好かれたい、認められたいという気持ちだけは強く
上辺だけの愛想笑いや誰にでもいい顔をする八方美人の仮面が体に染み着いた。
自分の気持ちを感じるより先に相手に好かれる為の行動を無意識のうちにしていた。
だから、人に嫌われることはなかったと思うけど、
物凄く好かれるわけでもなかったと思う。
私自身も人に心を開くのがとても苦手だった。
今でもそう。
仲良くする人はいる。
ただ、本当の私を知ってる人ってこの世にいるんだろうか。
でも、今私には、誰よりも安心できる夫という存在がいる。
全ての私を知らないけれど、それでもいいと思っている。
たとえ、夫婦でも全てを知る必要なんてない。
でも、時々無性に誰かに私のことを深く知って、理解してほしいという欲求が沸いてくるときがある。
そういうときは、姉や他の誰かに強烈に劣等感を抱いたとき。
いまだに、そういう感情が自分にあることに驚いた。
承認欲求というものがまだ足りてないみたい。