こだま日記(67)
*流歌*(53)
岩手・不明/その他

夏の夜の小咄

16/8/4 18:37
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当方も夏らしく暑くなってきたので、
夜に見た不思議なものの話など・・・



あれは6、7歳の頃で あったか・・・

当時喘息気味?であった私は、
夜になると咳が酷く苦しむ事がたびたびあった。


その晩も目覚め、えづきながら咳込んでいると
左側にある襖に目が釘付けになった。




手の影が黒々と映っていた。



じゃんけんのぱーの状態の影が、
私の後ろにある
障子の影とともに映っている。


少し小ぶりであるようだったので、
隣に寝ている妹の手や、
一応自分の手も見てみたが
そういう影が映る状態にはなっていなかった。



手首から先だけの影というのが少し恐ろしかったが、
ただ映っているだけでどうという事もなく、
また咳も収まってきたので
そのうち寝てしまった。



大人になってからこの体験の話をしたところ、
ある人に

『それは、あなたの母上の幼くして亡くなった
ご姉妹が、あなたの苦しそうなのを見かねて
背中をさすってらしたものでありましょう。』

と言われた。



そういう話をまるっと鵜呑みにする訳ではないが


そういう考え方もあるのだなぁ、と
得心がいったものであった。
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