てまりの『丸出し劇場』(1015)
てまり(50)
ヒミツ・おバカ系

指切り ~果たせない約束~

16/3/18 23:27
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ことの始まりは、いつものように一分一秒を争う『尿漏れ』を堪え、







命からがら、知らない地域の『コンビニ』へと駆け込んだあの日。







小便後には、買い出しを済ませ、私はイソイソ、チキトラに戻った。







融雪剤の『塩巻き』で、すっかり真っ白になっていた私のチキトラ。







車両の周りを、モサモサ歩き回っていると、







『トワック~、トワック~』







お婆ちゃんに連れられた、幼い女の子。







女の子は、ノビノビと『弾んだ声』を張り上げながら、







私を指差し、呼び掛けているように見えた。







そんな『お孫さん』に恐縮されてか、私と目が合い、お辞儀をされたお婆ちゃん。







こりゃ イカンっ!!







すぐさま、お辞儀を返しつつ、私は、おのずと『お二人』の元へ近付いて行き、







この機会に、地元の方との『交流』を深めたく思った。







『ねぇー、ねぇー、トワックちゅきっ?』







そう、女の子の前にしゃがみこむと、女の子はモジモジと頷き、







『お嬢ちゃんも、大きくなったら、トワック乗るぅ?』







今度は、ハニカミながらに頷いた。







『よし!! おっきくなったら、オバチャンと一緒に走ろっ? 約束!! ねー♪』







果たせるはずもない約束とわかっていながら、勝手、気ままに『小指』を立てた。







約束どころか、私はいずれ、トラックをおりる。







『指切りげんまん』を歌いながら、そんな現実に引き戻されて、







女の子が指切りで見せた、愛くるしく、眩い『笑顔』を目の前に、







一瞬にして 切なくなった。







女の子と絡めた小指の感触を思い出すと、今も時折、どこか切ない。





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