年度末である。
この時期恒例の膨大なデータチェックに、朝一番で取り組んだ草薙。
しかし、眠い。死にそうに眠い。
冗談では無く、見てはならぬ彼岸の花園でも見えそうなレベルではある。
昨夜、房中での睦事が激しかったとかそういう艶めいた理由では残念ながら無い。
職場でも家庭でも常にエンジンを切れない状況下、恒常的慢性的に疲労しているのだ。
しかも若干、自己嫌悪に陥る些末事等もあり、それが眠気と意識混濁に拍車をかけていた。
いかん。
気を確かに持て草薙。
アダルトサイトで日夜、眼鏡男子にうつつを抜かしていたから仕事が疎かになったなどと物笑いの種にはなりたくは無い。
言語道断。許し難い醜態である。
こうなる事を予期していたので予め、ドライハードかつスパイシーなミントタブレットを準備してあった。
取り出して、1粒。
弾みで、5粒。
さらに、5粒。
景気をつけるかの如く一気に噛み砕いたその瞬間。
あろうことか、ミンタブのかけらが喉の方へ。
激しい咳。涙。鼻水。
視界は奪われ、息ができないほどのミントの刺激。
七転八倒とはまさにこの事。
死ぬかと思った。いや、マジで。
あー。目が覚めた。覚めました。
生きてて良かったよ。うぅ。
人間、死地から生還すると開眼するという事を、身を持って味わった駄体験。
ネガティブな想いにとらわれがちな方は一度、草薙の真似をしてミンタブ一気食いをして、喉にかけらをひっかけてみてはどうであろうか。
生き地獄の苦しみの果てにバッチリ目が覚めて、生きている悦びを心底味わえる事間違い無し。
ちなみに草薙はもう2度とやりません。
午後からはミンタブに頼らず、どうにか乗り切ろうと思います。
ではではまた。