【草薙電脳艶戯倶楽部】(630)
草薙(49)
ヒミツ・不明/その他

【twilight】

16/2/16 18:37
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夕刻。帰宅時間。
春は名のみの寒さとて、されどずいぶん、日が長くなったなと思う。
帰路を急ぎつつもふと「逢魔が時」という言葉が浮かぶ。
日が暮れて宵闇が訪れる少し前。魑魅魍魎に出会いやすくなる、禍々しい時間帯を指すことば。

大島弓子の漫画「黄昏は逢魔の時間」。
40代既婚子供無しの会社員「ドクター」と、ひょんなことから出会った中学生の少女「邪夢(じゃむ)」との短い交流を描いた作品。
初恋の少女が忘れられず、彼女に想いを伝えられなかった事を悔いて過ごしている壮年の男。邪夢の面影に彼女を重ね、複雑な想いにとらわれつつも、自らの当時の想い、そしてエキセントリックな魅力を持つ邪夢に対する甘い夢想と、淡い恋心を自覚してゆく。

肉体的な欲求解消なら普通の「出会い系サイト」やリアル風俗、AV等々で事足りる。
それなのに敢えて「モバイルライブチャット」という場を提供した結果、個々人の認識や目的の差はあれども、その世界観を踏まえた上での継続的な利用及び支持が得られている不思議。

このサイトに在籍して気付いた事は、
多くの「オトナ」が案外、初恋の甘苦しさや切なさ、恋情を抱く事の純粋さや一途さを忘れられぬまま壮年になるのでは無かろうか。という事だった。
そのような「永遠の少年たち」の存在あってこそ、この世界は数年に渡り、成立し得ているのではなかろうか。
そんなふうに、思う。

いや、そんなものは姥桜の単なる甘い夢であって、事実はそんなキレイゴトでは無い。
それが「現実」なのかも知れない。
それでも。

普通のSNSで表現をする事に飽き足らず、
この世界にひょんなことから足を踏み入れ、この4カ月、エロくも何ともない自己満駄文を書かせていただいてきました。
特に誹謗中傷もされず、自分が好き勝手に書き続けられてきたのも、
この世界を支える「永遠の少年」の存在あってこそだと勝手ながら心底、感謝しております。

あらためて。
ありがとうございます。

そしてこれからも、願わくば心満たす人生の「逢魔の時間」の一幕をどうぞ、お楽しみ下さい。


ではでは、また。
(c)gran-tv.jp