機を待つ。
これすなわち、待機。
捲土重来を期して待機のボタンを押し、
上掲の、桜ザブトンに座るしろねこさんの如く「待機中」の状態となった、にわか似非電脳太夫・草薙。
多少アルコールを注入していたので高揚感はあれども恐怖心は無く、H度五連星の矜持にかけて、多少の色艶事も覚悟の上ではあった。
わたし、もうおとなだもん。
えっちなこともへいきだもんね！
相変わらず威勢の良いくさなぎちゃん12さいを、わかったからあんまり騒がないでよ、となだめつつ、
いやーしかしなんだ。
ついはじめちゃったもののこりゃ、心身ともに相当な重労働だ。と気付くのにそう時間はかからなかった。
これがもしTV電話だったりしたら、通話がいつはじまっても良いように常に心身を、見た目も内面もエロい状態にキープしておかねばならぬ。
数時間に渡り、エロな状態を継続保持する。
神技にも等しき業。
しかも、特定の恋しい人と待ち合わせしているならいざ知らず、ひじょうに高額な対価と引き換えに通話をしていただくからには、それなりの快楽を提供せねばならぬ。
それを果たして、提供する自信がおのれにはあるのか？
えー！？やめんの？
しょうさナニざぶとんからおりてんの！？
キャアキャアやかましいくさなぎちゃんを一喝。黙りこんだくさなぎちゃんの、茶色の瞳からポロリと涙。
抱き締めて、よしよし。
くさなぎちゃん。いいんだよ。
しらないおにいさんたちと、でんわ、できなくてもきっと、だいじょうぶ。
あなたがいなかった28ねんかんで、ほかにできるようになったこと、してみたいこと。
まだまだたくさん、あるからさ。
捲土重来、に代わり、浮かんだ言葉は
「吾唯足知」。
そんなこんなでもう２度と、身の丈にも目的にもまったくそぐわない、電話待機は致しませぬ。
自らを見つめ直す、良い経験になりました。
以上、約３か月前のある夜の、出来事でしたとさ。
くだらない告白、失礼致しました。
ではではまた。