【草薙電脳艶戯倶楽部】(630)
草薙(49)
ヒミツ・不明/その他

【tele-complex】2

16/1/28 00:23
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「激ヲタ眼鏡男子と電脳桃源郷で、萌え萌えマニアック相聞歌をねちねちと交わす」

と、いう、もういい加減再三しつこいようだが、品性下劣かつ薄暗い主目的でこちらに登録した草薙。
そんなわけで、モバイルライブチャット=サイト内通話は申し訳無いが当初からまったく、眼中には無かった。

が。
ふとよみがえりし「占いテレフォン事件」。

簡単にトラウマ、という言葉を使うのは好きでは無い。
多少の負の経験や記憶なら、自分自身の力で上書き出来る。
舞台は江戸では無く長崎だが、状況は奇しくも整った。

「わたしだって、しらないおにいさんときちんとおはなしできるもんねだ!」
12歳の草薙がそう息巻く。


そうだよね、くさなぎちゃん。
ずっと、あなたのこと、わすれてた。

あのときの、あなたのこころ。
おともだちのかお。おかあさんのかお。

くやしいよね。いろいろとさ。
おともだちにでもなく、おかあさんにでもなく、
きちんとおはなしできなかった、じぶんがいちばん、くやしいんだよね。


そんなわけで、夫夜勤、しかも坊主ども熟睡のとある夜。

12さいのくさなぎちゃんと、
40歳の草薙少佐による、
最初で最後の、電話待機作戦が決行されたのではあった。



3に続く。
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