【草薙電脳艶戯倶楽部】(629)
草薙(49)
ヒミツ・不明/その他

【travel】

16/1/11 21:28
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夫起動不可能→夫本日夜勤→坊主ども暴動、につき例の如く家内安全の為、坊主どもを伴い外出。
電車を数回乗り換えて、着いたところは鉄道博物館。

館内エントランスへと続く、時刻表の路。
エントランスホールの床に、展示されたプレート。
レストランのテーブルには、ダイヤグラム。
ずらりとならぶ、新旧の車両。
鉄分補給には充分過ぎる、展示物の数々。

ともすれば左右に疾走しかねない坊主どもをビシバシ叱責しながら統率し、何とか定刻には館を辞し帰路についた。
心身ともにひじょうな重労働ではあったが、ミッション完遂の快楽は、何物にもかえがたい。

だから、苦しくても終われる気がしないのだ。
今現在をただ、生き抜く。そのことが。

定期的逃避行癖のある草薙。
独身時代は早朝思い立ち、荷物をまとめて新幹線、もしくは飛行機に乗り旅に出る、などということを発作的にやらかしてきた。
その発作は結婚し、母になってから幾分抑制はされたものの根本はあまり変わらず、乳飲み子の次男を抱っこひもに入れて右手に長男、左手にスーツケースを握り気付いたら京都にいた、等々の旅歴を持つ。

次男が生まれ、復職して今夏で丸2年。
そして、2度めの成人式も過ぎた。

気力、体力、財力、戦闘力、魔力、そして、時の運。
ある意味、雌伏の5年間が過ぎまた今、上記すべてが少しずつ、上昇の気配を感じている。

すべては、自分の中にある。
喜怒哀楽、幸不幸、すべては自分次第。

誰のためでも無い。
いつだって私は、誰といても変わらずただ、
自分自身のために、旅に出る。


では、また。
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