【草薙電脳艶戯倶楽部】(629)
草薙(49)
ヒミツ・不明/その他

イロトリドリノセカイ。

16/1/3 18:41
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小倉百人一首。

藤原定家が百人の詠み人の和歌を一首ずつ選びまとめた歌撰集、言わば日本古典界のスパロボ大戦みたいな存在である。
って、あー草薙さん最近ざっくり発言多発失礼。しかし「百人一首の歌から、特定の古典作品や人物に興味を持つようになった」という経緯は「スパロボで遊んでるうちにMSZ-006が好きになった」というのと何だか、似ている気がしたので。

物心ついた時から妄想狂だった草薙。その性質に拍車をかけたのが、実家の本棚にあった「グラフィック日本の古典」という叢書。
絵巻物や版画などがカラー写真で掲載されており、それを眺めてポワンとするだけでも楽しめる仕様になっている。
その叢書の付録として付いていたのが「小倉百人一首」だった。

自分の知っているお子さまカルタとは違う。
一体これは何なんだ。
前知識無しに絵札をめくれば、色とりどりに鮮やかな姫君たちの衣裳。以降、草薙の脳内桃源郷に「十二単を着て殿方と恋に落ちるワタシ」というこっぱずかしいジャンルが構築されるのに時間はかからなかった。

百人一首→源氏物語→とりかへばや→とはずがたり、そして氷室冴子や永井路子へと枝葉は伸びてゆくのだがそれはさておき。

実家帰省中久々に、前出の叢書及び百人一首を手に取った。
反物を幾重にも広げたように、脳内に蘇る、ワタシだけの古典妄想絵巻。仏像にもガンダムにも眼鏡男子にも無関心だった頃の懐かしい「萌え転がり初め」の感覚。

きっと戦場に戻ればまた忘れてしまうから、せめて今宵は長い黒髪を垂らし裳裾をひいて、月夜に誰かを待ってみよう。

そんなこと思った松の内三日目でありました。
では、また。
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