「人間は、恋と革命のために生まれてきたのだ。」
太宰治「斜陽」の作中に出てくる台詞。
恋と革命。
自分のこれまでの人生、そしてこれからの人生をこれほど、端的に表す言葉は無い。
今まで、好きなコトヒトモノに対してのみ、愚直なまでにのめり込んで生きてきた。
おかげで、ヒト以外のたいていの願望や目標には当確ではないにしろ、近似的に到達してきた。
そう。ヒト、以外は。
いつだって、わかっていた。
どれだけ想っても、どれだけ焦がれても、泣こうが叫ぼうが、叶うときは叶い、叶わぬものは叶わない。
しかも、どれだけもがこうがあがこうが、叶おうが叶うまいが、永続はあり得ない。
確実に、消滅する。
しかし、だからといって恋をするな、などというのは「どうせ生きたって最後は死ぬのだから、今すぐにでも死んでしまえ」というのと同じで、愚かなことだ。
安吾先生も「恋愛論」にて、そんなことを書かれている。
心地良さと同時に時に、いつかは終わってしまうであろう苦しさ、虚しさ。
だからこそ、あるものは理論武装をし、あるものは当事者を回避しようとする。
自分のルールを守り、ある程度俯瞰し、線引きが出来るものだけが、長く、浮遊できる資格を持つ。
そういう意味において言えば、
私はここには、不向きな存在なのかも知れないな。
いや。もし、たとえ、そうだとしても。
せめてひととき、鎧をすべて脱ぎ棄てて、
無防備な薄絹いちまいでのんびり寝そべることのできる、刹那の時間と空間とを私に、許して欲しいのです。
刹那であっても、かまわない。
だから。