「行き行きて重ねて行き行く
君と生きながら別離す
相去ること万余里 各各天の一涯に在り
道路阻りて且つ長し 会面安んぞ知る可けん
君を思へば人をして老いしむ
歳月 忽ち已に晩し
棄捐して複た道ふなからん
努力して餐飯を加へん」
草薙の好きな漢詩のひとつ、「別離の歌」。
「あなたとは物理的距離的にたいそう、遠く離れております。
生きて、会えるかどうかも定かでは無い。
そんなあなたのことを想うと私のこころは悲しみに満ち、どんどん、年老いてゆくようです。
でも、愚痴を言ってもどうしようもない。
せめてきちんと、あなたがごはんを食べて、健康でいてくれますように。」
ひじょうに大雑把に訳すとそんな感じの内容となります。
この漢詩に高校時代に出会い心惹かれそして、大学時代「漢文学専攻」というひじょうにモテなさそうな・・・失敬。字面だけ見るとひじょうに、古色蒼然とした感のある分野を専攻するに至りました。
そして、入学してからさらに草薙を待っていたのはめくるめく、漢文学界の萌えの数々。
一見、小難しそうな漢字のずらりと並ぶ文章が、解読さえ出来てしまえばあからさま過ぎるほどの性交描写だったり。
「解読」というフィルタのかかった、それを読み解いた者だけが至福の快楽を得られるような、そんな世界。
そんな「もどかしさ」を今でも愛好するからこそ私はこの場所に気長に在籍し、日々、解読と至福に心満たしたい。
そんな風に、思うのであります。
あー。泡のあとの、蒸留酒は効きますな。
急に酔っ払ってきた。
落ち着け草薙。差し水、差し水。
ちなみに「あなたがごはんを食べて健康で」云々の下りは他にも 、
「 せめてしっかり、食事をとってあなたと会える日にそなえましょう。」
という訳もあったり、します。
うん。こっちのほうが草薙らしいよね。フフリ。
そんなわけで、いつか、あなたと会えるかも知れないその日のために。
何とか、元気でがんばりますよ。
ではではまた。